DAEDALUSメタアナリシスが示す、ステント再狭窄への対応指針
Drug-Coated Balloon Angioplasty Versus Drug-Eluting Stent Implantation in Patients With Coronary Stent Restenosis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
June 2020
75
開始ページ
2664

背景

ステント内再狭窄(ISR)に対する再PCIの技法選択は重要な問題であり、多くの報告・レビューがある。ドイツTechnische Universitat MunchenのGiacoppoら(DAEDALUS)は、10 RCT(BMS-ISR:n=710、DES-IRS:n=1,248)に関する個別患者レベルメタアナリシスを行った。一次有効性エンドポイントは3年内のTLR、一次安全性エンドポイントは3年内の死亡・心筋梗塞・標的病巣血栓症の複合である。

結論

BMS-IRSに対してはDCB血管形成術とDES留置術は効果・安全性ともに同等であった。他方、DES-IRSに対するDCBは、DESに対し一次安全エンドポイントで非有意にではあるが劣っており、一次有効性エンドポイントでは有意に劣っていた(HR:1.58)。なお、総体としてはDES-ISRはBMS-ISRより治療不成功が多かった(HR:0.55)。

評価

DCB とDESのBMS-ISRとDES-ISRへの効果を斉一的に比較するという初めての分かりやすいデザインで、BMS-IRSに対しては両者同等だが、DES-IRSに対しては再DESが優ることを示した。ガイドラインのための主要エビデンスとなりえる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)