DAEDALUSメタアナリシスが示す、ステント再狭窄への対応指針
Drug-Coated Balloon Angioplasty Versus Drug-Eluting Stent Implantation in Patients With Coronary Stent Restenosis
背景
ステント内再狭窄(ISR)に対する再PCIの技法選択は重要な問題であり、多くの報告・レビューがある。ドイツTechnische Universitat MunchenのGiacoppoら(DAEDALUS)は、10 RCT(BMS-ISR:n=710、DES-IRS:n=1,248)に関する個別患者レベルメタアナリシスを行った。一次有効性エンドポイントは3年内のTLR、一次安全性エンドポイントは3年内の死亡・心筋梗塞・標的病巣血栓症の複合である。
結論
BMS-IRSに対してはDCB血管形成術とDES留置術は効果・安全性ともに同等であった。他方、DES-IRSに対するDCBは、DESに対し一次安全エンドポイントで非有意にではあるが劣っており、一次有効性エンドポイントでは有意に劣っていた(HR:1.58)。なお、総体としてはDES-ISRはBMS-ISRより治療不成功が多かった(HR:0.55)。
評価
DCB とDESのBMS-ISRとDES-ISRへの効果を斉一的に比較するという初めての分かりやすいデザインで、BMS-IRSに対しては両者同等だが、DES-IRSに対しては再DESが優ることを示した。ガイドラインのための主要エビデンスとなりえる。