単回・即効性のP2Y12R阻害薬selatogrel登場
Subcutaneous Selatogrel Inhibits Platelet Aggregation in Patients With Acute Myocardial Infarction
背景
Selatogrelは、効果発現の早い短時間作用型新規P2Y12受容体阻害薬である。スイスUniversity of BernのValgimigliらは、AMI患者47名を対象に同薬8mg(n=24)・16mg(n=23)の単回皮下投与とticagrelor(n=43)・clopidogrel(n=1)の投与を比較する第2相RCTを行った。一次エンドポイントは、30分時の血小板反応性(P2Y12 reaction untits[PRU]< 100)である。
結論
一次エンドポイント効果は、8mg群で91%、16mg群で96%でみられた。15分時の反応率は8mg群75%、16mg群91%であり、60分時でも維持された。反応率は年齢・性別・BMI・腎機能・DMとは独立していた。大出血合併はなく、忍容性が示された。
評価
P2Y12R阻害薬は多数あるが、単回皮下注で即効するという明らかなアドバンテージを示した。AMI発症時のセルフメディケーションという用法も現実化してくる。他の抗血小板薬との相互作用、AMI診断前投与、PCIにおける出血リスクなど課題があり、第3相RCTでの追加解析が期待される。