初の経口GLP-1RA肥満治療薬orforglipron登場:ATTAIN-1試験
Orforglipron, an Oral Small-Molecule GLP-1 Receptor Agonist for Obesity Treatment
背景
経口・非ペプチド小分子GLP-1受容体作動薬orforglipronの肥満治療効果・安全性は。
カナダWharton Weight Management ClinicのWhartonら(ATTAIN-1)は、糖尿病を伴わない肥満成人患者3,127名を対象に、健康的な食事と身体活動に加えたorforglipron三用量72週間投与の安全性と有効性を検証する第3相試験を行った(対照: プラセボ)。
一次エンドポイントは、ベースラインから72週目までの体重の変化率であった。
結論
Orforglipronの一次エンドポイント効果を認めた[最高用量36 mg群の平均体重変化率−11.2% vs. プラセボ群−2.1%]。36 mg群の54.6%が10%以上の体重減少を達成した。
腹囲・収縮期血圧・TG値・non-HDL-C値も実薬群がプラセボ群と比較して有意に改善した。有害事象による投与中止率は、実薬群(5.3〜10.3%)がプラセボ群(2.7%)より高かった。実薬群で最多の有害事象は消化器系症状であったが、大部分が軽度〜中等度であった。
評価
Eli Lilly創薬の、初めての非ペプチド・小分子GLP-1RA薬である。経口GLP-1RA薬としてはすでにセマグルチドがあるが、未だ肥満薬としては承認されていない。Orforglipronは経口セマグルチドより高い体重減少効果を示して堅実な代謝改善効果も伴っており、経口薬として初めて承認されるGLP-1RA薬となる可能性が高い。なお、同薬のT2DMへの効果を検証する(insulin glargineと比較)ACHIEVE-4も最終段階にある。


