アジア人集団でPCI後最適DAPT期間を大規模検証:HOST-BR試験
Dual antiplatelet therapy after percutaneous coronary intervention according to bleeding risk (HOST-BR): an open-label, multicentre, randomised clinical trial
背景
PCI後の出血リスクに応じた抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の至適期間は。
韓国Seoul National UniversityのKimらは、DES-PCIを受けた患者4897名を高出血リスク(HBR)群と非HBR群に層別化し、各群でDAPT期間(HBR群: 1ヵ月 vs. 3ヵ月、非HBR群: 3ヵ月 vs. 12ヵ月)を比較するRCTを行った。
一次エンドポイントは、純有害臨床イベント(NACE)・主要心脳血管イベント(MACCE)・ランダム化後1年におけるあらゆる非外科的出血であった。
結論
非HBR群では、NACEおよびMACCEに関して3ヵ月DAPTが12ヵ月DAPTに非劣性で、非外科的出血(7.4% vs. 11.7%、HR 0.63)に関して優越した。
HBR群では、1ヵ月DAPTと3ヵ月DAPTの比較では、NACEについて非劣性に達しなかった。MACCEは、1ヵ月DAPT群で9.8%、3ヵ月DAPT群で5.8%に発生した。1ヵ月群では13.8%、3ヵ月群では15.8%に非外科的出血があった。
評価
結論は、DAPTは非HBRでは3ヵ月がよく、HBRで1ヵ月への短縮には大きなメリットはない、ということである。出血リスクで患者を層別化する現在の諸ガイドラインの方針・傾向と合致しつつ、非HBRでの3ヵ月への短縮の積極的推奨を支持するエビデンスを提出した。特に、アジア人におけるDAPTの最適化問題に貢献するが、日本・中国の施設は試験に参加していない。


