筋層非浸潤性膀胱がんでのTURBT後BCG療法にデュルバルマブが追加:POTOMAC試験
Durvalumab in combination with BCG for BCG-naive, high-risk, non-muscle-invasive bladder cancer (POTOMAC): final analysis of a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)患者に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)は再発率が高く、中・高リスク患者では膀胱内注入BCG療法が実施されるが、なお再発・進行リスクが残る。
ドイツCharité Universitätsmedizin BerlinのDe Santisら(POTOMAC)は、世界12ヵ国の、BCG療法歴のない高リスクNMIBC患者のTURBT後治療として、デュルバルマブ静注と膀胱内注入BCG導入(6週間)/維持(3/6/12/18/24ヵ月時点)療法、デュルバルマブ+BCG導入療法、BCG導入/維持療法のいずれかを1:1:1で割り付け、無病生存率を比較する第3相RCTを実施した(n=1,018)。
結論
無病生存イベントは、デュルバルマブ+BCG導入/維持療法群の20%、BCG導入/維持療法群の29%で認められた(ハザード比 0.68)。
グレード3・4の治療関連有害事象は、デュルバルマブ+BCG導入/維持療法群の21%、デュルバルマブ+BCG導入療法群の15%、BCG導入/維持療法群の4%で発生した。治療関連有害事象による死亡はなかった。
評価
高リスクNMIBCのBCG療法に1年間のデュルバルマブを追加することで、無病生存率が有意に改善した。日本も参加した試験であり、この結果に基づき新たな標準治療となると思われる。
同じセッティングでは、CREST試験のsasanlimabが有効(https://doi.org/10.1038/s41591-025-03738-z)、ALBAN試験のアテゾリズマブが無効結果となっているが(https://doi.org/10.1016/j.annonc.2025.09.017)、他の免疫チェックポイント阻害薬でも検証が進んでいる。


