STEMI患者の非責任病変へのPCIで即時戦略と遅延戦略は同等:iMODERN試験
Immediate or Deferred Nonculprit-Lesion PCI in Myocardial Infarction
背景
多枝病変ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、非責任病変に対するPCIの最適なタイミングは。
オランダRadboud UniversityのNijveldtら(iMODERN)は、少なくとも1つの非責任病変を有し、primary PCIが成功したSTEMI患者1,146名を対象に、無作為化後6週間以内に、即時iFRガイド下PCIと遅延造影MRIガイド下PCI(deferred cardiac stress MRI-guided PCI)に割り付けるRCTを行った。
一次エンドポイントは、3年間後における全死因死亡・心筋梗塞再発・心不全入院の複合であった。
結論
即時iFRガイド下PCIは遅延造影MRIガイド下PCIに対し、一次エンドポイント優越性を示さなかった。
評価
このテーマに関しては、「全病変治療か否か」という問題状況のなかで「即時」と「延期」が比較されていたが、iMODERNは、全病変治療の前提下で「即時」と「延期」を直接比較した、初めての本格大規模RCTである。3年間の長期追跡で、即時戦略の遅延戦略への優位性を否定する結論を導き、ガイドラインに高インパクトを与える。ただし、イベント数が予想より少なかったことは、結論の強度を制限している。


