1型糖尿病妊婦にはクローズドループインスリン送達システムを:CIRCUIT 試験
Closed-Loop Insulin Delivery in Type 1 Diabetes in Pregnancy The CIRCUIT Randomized Clinical Trial
背景
1型糖尿病(T1DM)妊婦の50%に高血糖関連の合併症が発生するが、妊娠中のハイブリッドクローズドループ(HCL)インスリンポンプ使用の有効性・安全性は。
カナダUniversity of CalgaryのDonovanらは、T1DM妊婦94名をクローズドループ群または持続血糖モニタリング(CGM)を伴う標準治療(インスリンポンプまたは1日複数回のインスリン注射)群に割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、妊娠16〜34週にかけてCGMによって測定された妊娠期特有目標血糖値範囲(63〜140 mg/dL)内の時間(TIR)の割合であった。
結論
クローズドループ使用の一次アウトカム効果を認めた[65.4% vs. 50.3%(平均調整差12.5%ポイント)]。
重度低血糖はクローズドループ群で1件、糖尿病性ケトアシドーシスがクローズドループ群で2件、標準ケア群で1件で認められた。
評価
このテーマに関しては、すでにCRISTAL(CamAPS FX)・AiDAPT(DBLG1)があり、CIRCUITは、全く異なるメーカーのシステム(MiniMed 670G/780G)を使って、ほぼ同等の結論を出したものである。これらエビデンスに基づき、欧米の主要学会は、妊娠中のT1DM女性に対して、HCLを積極的に活用する方針へとシフトしている。


