低リスク患者へのTAVRとSAVRは7年後でも同等:PARTNER 3試験
Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement in Low-Risk Patients at 7 Years
背景
重度症候性大動脈弁狭窄症(AS)の手術低リスク患者を対象としたPARTNER 3の5年データでは、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の成績は同等であった。
アメリカColumbia UniversityのLeonらは、追跡7年結果を発表している(n=1,000)。
第1一次エンドポイントは、死亡・脳卒中・弁/手技/心不全関連再入院の複合、第2一次エンドポイントは、死亡・脳卒中・弁/手技/心不全関連再入院日数の階層化複合である。
結論
TAVRとSAVRの間に、いずれの一次エンドポイントでも有意差はなかった。
評価
5年結果を7年後でも確認して、手術低リスク患者におけるTAVRとSAVRの同等性を確立し、低リスク患者に対するTAVRを決定的な治療選択肢とした。特に懸念されていた弁の耐久性についても、同等性が確認された。一方、早期におけるTAVRの優位性が長期で減衰する傾向、TAVRで弁血栓症の、SAVRで新規AFの発生率が高い、という傾向も引き続き確認されている。TAVRの適応年齢拡張を後押しするとともに、10年以上の結果確認も待たれる。

