抗凝固薬内服中の急性脳梗塞患者に血管内血栓除去術を実施してよいか
Endovascular Treatment for Acute Ischemic Stroke in Patients on Oral Anticoagulants: Results From the MR CLEAN Registry
背景
経口抗凝固薬(OAC)内服中の急性期脳梗塞患者にも血管内血栓除去(EVT)を実施すべきか。オランダMaastricht UniversityのGoldhoornらは、MR CLEANレジストリ登録3,162名の患者データに基づき、この問題を検討した。前方循環閉塞成人患者を対象とし、OAC内服とEVTから90日間の症候性頭蓋内出血(sICH)・機能予後(mRS)・生命予後との関連を解析した(発症から穿刺<6.5時間)。
結論
sICH発生率に差はがなかった。単変量解析ではOAC使用者で90日後死亡が多かったが、多変量解析では有意性が消失した。OAC内服は90日後の機能予後不良と相関したが、ベースライン予後因子の調整後には非有意となった。
評価
遭遇例が増えてきている重要な問題で論争的だったが、大規模コホート研究で「OAC内服を理由にEVTを忌避する必要はない」と結論した。サブグループ解析で、DOACとワルファリンとの間に顕著な差がない、ともしている。


