機械的血栓除去はtPA不要に?
Endovascular Thrombectomy with or without Intravenous Alteplase in Acute Stroke
背景
現在急性期脳梗塞に対する機械的血栓除去治療(MT)ではtPA静注が併用されているが、本当に必要か。中国Changhai HospitalのYangら(DIRECT-MT)は、これを検証する多施設非劣性RCTを行った(MT単独:n=326、tPA+MT:n=328)。閉塞血管は35%が頭蓋内ICA、52%がM1であった。一次エンドポイントは、発症90日後のmRS(0〜6)分布における非劣性(マージン:0.8)である。
結論
MT単独のtPA+MTに対する一次エンドポイント非劣性を認めた(調整共通オッズOR:1.07)。再開通率・NIHSS・死亡率・症候性頭蓋内出血発生率にも差はなかった。
評価
tPAスキップをよしとするデータは日本でも出てきており、スキップが主流になる可能性があるが、この研究は非劣性マージンが広く、エビデンスとして最終的とは言えない。ただし、有効再開通率は両群とも80〜85%程度と高く、中国の大規模臨床試験は質が上がってきている。