原発性心臓悪性腫瘍の長期転帰は未だ「dismal」:最大調査
Long-Term Outcomes of Primary Cardiac Malignancies: Multi-Institutional Results From the National Cancer Database
背景
原発性心臓悪性腫瘍に関するデータは未だ統合ができていない。University of PittsburghのSultanらは、2014〜2016年のNational Cancer Database心臓腫瘍100,317例の解析を行った。一次アウトカムは長期生存である。
結論
原発性悪性腫瘍は全心臓腫瘍の0.8%(826名)、88.5%が原発性肉腫、その40.4%が血管肉腫だった。136名は無治療、113名は化学療法のみ、20名は放射線療法のみを受けた。集学治療患者255名を含む442名(59.2%)に手術が行われた。手術のみの場合の90日死亡率は29.4%であった。30日・1年・5年生存率は各81.2%・45.3%・11.5%だった。手術施行群の長期生存率は非施行群に優った(p<0.0001)。ステージIII疾患では、手術に化学療法を追加することで統計的有意な生存期間延長が得られた。
評価
この問題に関する最新の最大調査である。著者らは、この疾患の長期転帰を「dismal」としている。2014年の総説では心移植の可能性にも言及されていたが(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/clc.22295)、試みられないようである。