CRPバンドルで小児急性疾患での抗菌薬処方を削減:ARON試験
A clinical decision tool including a decision tree, point-of-care testing of CRP, and safety-netting advice to guide antibiotic prescribing in acutely ill children in primary care in Belgium (ARON): a pragmatic, cluster-randomised, controlled trial
背景
抗菌薬耐性の問題は依然として大きな公衆衛生課題であり、急性疾患の小児患者においても抗菌薬使用の適正化は重要である。
ベルギーKU LeuvenのVerbakelらは、ポイント・オブ・ケアCRP検査を導入しておらず、急性疾患の小児患者を継続的に登録可能な同国の総合診療・コミュニティ小児科病院171ヵ所でのクラスターRCTを実施した。試験では急性疾患小児(6ヵ月〜12歳)に対して、ポイント・オブ・ケアC反応性タンパク(CRP)検査を含む臨床意思決定ツールの使用、または通常ケアが割り付けられ、初回診療での抗菌薬処方への影響が評価された。
結論
7,049名の小児がスクリーニングを受け、6,760名が試験に組み込まれた。
初回診療時の抗菌薬処方は、介入群16%、通常ケア群22%と、介入群で有意に減少した(調整済みオッズ比 0.72)。
また、回復期間、追加検査、フォローアップ受診、初回以降の抗菌薬処方については介入群の非劣性が示された。
重篤有害事象のうち、試験手順に関連すると考えられるものはなく、期間中の死亡はなかった。
評価
決定木アルゴリズム・CRP検査・セーフティネットからなるバンドルを導入することで、急性疾患小児の初期診療における抗菌薬処方が有意に抑制された。
実践設定での大規模試験であり、CRP検査の正しい位置づけを示すエビデンスとして価値は高い。


