難治高血圧症へのカテーテル腎交感神経除神経術に強いエビデンス
Efficacy of catheter-based renal denervation in the absence of antihypertensive medications (SPYRAL HTN-OFF MED Pivotal): a multicentre, randomised, sham-controlled trial
背景
難治高血圧症に対するカテーテル腎交感神経除神経術(RDN)の有効性は論争的だが、肯定側に傾ける強いエビデンスが得られた。ドイツSaarland UniversityのMichael Bohmら(SPYRAL HTN-OFF MED[SPYRAL Pivotal])によるもので、降圧薬休薬中の高血圧症(SBP:150〜180 mmHg)患者331名を対象とした44ヶ国多施設RCTである(対照:sham手術)。一次エンドポイントは、ベースラインから施行後3ヶ月時の24時間SBPのベースライン調整後変化である。
結論
RDNの一次エンドポイント効果を認めた(24時間SBP:−3.9 mmHg、診察室SBP:−6.5 mmHg、p<0.0001)。治療関連安全性イベントは3ヶ月時までは発生しなかった。
評価
SYMPLICITY HTN-3の否定的結果に対抗しうる多国多施設シャム対照大規模試験である。ACC2020では「より強いエビデンス」と評価された模様である。本試験は休薬条件で3ヶ月の短期試験であったが、薬物療法併用によるRCT(SPYRAL HTN-ON MED試験)が進行中であり、長期評価に加え、CVDリスク修飾効果の評価が期待される。