ACE i等RAA系作動薬使用は、COVID-19のPCR陽性度・重症度に関連しない
Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors and Risk of Covid-19

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
May 2020
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背景

COVID-19はACE2受容体を介する感染機構により、RAA系作動薬との関連が問題となっていた。New York UniversityのReynoldsらは、これを検討するベイズ化比較後向検討を行った(COVID-19 PCR検査実施患者数:12,594名、陽性患者数:5,894名、陽性かつ高血圧患者数:2,573名、重症かつ高血圧患者数:634名)。

結論

ACE i・ARB・β-ブロッカー・Caチャネル拮抗薬・サイアザイドの いずれも、PCR検査結果へ影響や、重症度への影響は確認されなかった。

評価

高血圧がCOVID-19のリスク因子とされていることから多数の検討がなされているが、現段階では関連性はみられない(https://www.tctmd.com/news/covid-19-ace-inhibitors-and-arbs-multiple-studies-show-no-increased-risk)。現在使用中であるならば、感染の有無に関わらず継続すべきである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)