安定狭心症へのCABG:ISCHEMIA試験のもう一つの結論は
Health-Status Outcomes with Invasive or Conservative Care in Coronary Disease
背景
ISCHEMIA主試験は、安定狭心症患者への侵襲的アプローチが保存的アプローチに優れない、と結論している。同研究のSpertusら(Saint Luke’s Mid America Heart Institute)は、狭心症に関わる健康状態を評価する第二分析結果を発表している。一次アウトカムはSAQ summary scoreである。
結論
AQサマリースコアは両群とも治療後改善したが、改善度は侵襲アプローチの方が高く、ベースライン狭心症頻度が高い参加者ほど差は大きかった(狭心症のない患者と比較して、毎日または毎週の狭心症の参加者では、3か月で8.5対0.1ポイント、36か月で5.3対1.2ポイント)。
評価
「ベイジアンフレームワーク内混合効果累積確率モデルを使った」という統計手法で、「全群でのモデストな平均差は、ベースラインでの無症候者と有症状者の間の効果差を反映している」と結論した。厳密にはシャム手術を対照とすべき問題だが、「CABGをすると症状は少なくなる」という臨床的感触を裏書きする結果でもある。