小児・若年者における自動インスリン投与(AID)システムの有効性:最新の系統レビュー・メタアナリシス
Automated Insulin Delivery Systems and Glucose Management in Children and Adolescents With Type 1 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
JAMA Pediatrics
年月
September 2025
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開始ページ
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背景

1型糖尿病(T1DM)の小児・若年者における自動インスリン投与(AID)システム利用の増加は、最新の系統レビューを必要としている。カナダUniversity of ManitobaのMcGavockら(TEAM)は、T1DMの小児・若年者901名を対象とした11件のRCTを統合する系統レビュー・メタアナリシスを行った。
一次アウトカムは、範囲内時間(TIR)とHbA1c値であった。

結論

外来での長期的AIDシステムの使用は、標準治療と比較して、HbA1c値の0.4%低下(介入前の値は約8.5%)、TIRの11%改善(介入前の値は約50%)と関連した。AIDシステムと血糖管理指標の関連は夜間に最も高かった。これらの結果は、AIDシステムの使用期間または比較血糖管理戦略(手動投与、ポンプ療法のみ、またはセンサー増強ポンプ)によって影響を受けなかった。有害事象に群間有意差はなかった。QOLの変化を報告した研究は2件であった。

評価

必須の最新レビューであり、外来での長期使用(平均31週間)に焦点を当てることで、より実臨床に近い状況での効果を明らかにした。特に注目すべきは、夜間の血糖管理改善が顕著であったという点で、TIRの改善は夜間で19.7%と、日中の8.5%を大きく上回った。これは、患者とその家族にとって大きな臨床的意義を持つ。一方、懸念点として糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)リスクが増加する可能性が示唆された(リスク比 2.24)。これは、ポンプやカニューレの閉塞など、技術的な問題がインスリン供給の中断を招き、DKAに繋がる可能性を示唆している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)