重症右室機能不全の疫学:Mayo報告
Aetiology and outcomes of severe right ventricular dysfunction
背景
右室機能不全(RVD)の重要性が注目されるようになったが、自然歴さえ明確でない。Mayo ClinicのPadangらは、同施設での2011〜2015年の経胸壁心エコー検査(TTE)連続64,728名のデータを後向解析した。一次エンドポイントは全死因死亡である。
結論
軽度RVDの有病率は21%であった。重度RVD(4%)患者は1年死亡率が非常に高く(〜40%)、RVDの病因に依存していた。左心疾患が重度RVDの最も一般的な原因だったが、予後が最も悪いのは慢性肺疾患/低酸素血症によるRVDだった(生存率42%)。中等度以上の三尖弁逆流の存在は、重度RVD患者の生存率低下を予測した。
評価
ケースシリーズ報告が積み上げられてきた主題だが、Mayoの大規模データで全体像を確実なものにした。進行性RVDはLV不全より予後が悪い、という印象的な指摘を中心として、ここでの結論はすべて教科書的である。