ドライバー変異のない切除可能肺がんでの術前ニボルマブ+化学療法は5年生存率65%:CheckMate 816試験
Overall Survival with Neoadjuvant Nivolumab plus Chemotherapy in Lung Cancer
背景
CheckMate 816試験は、IB期からIIIA期で、EGFR・ALK変異のない切除可能非小細胞肺がん患者(n=358)に対する根治的切除前の術前治療として、3サイクルのニボルマブ+プラチナ化学療法併用、またはプラチナ化学療法単独を割り付けた第3相国際共同RCTであり、ニボルマブ併用群で無イベント生存期間が有意に延長することを報告している。
アイルランドTrinity College DublinのFordeらは、同試験の全生存率結果について報告した。
結論
5年生存率はニボルマブ併用群で65.4%、化学療法単独群で55.0%であり(死亡ハザード比 0.72)、この結果は多くのサブグループで一貫して認められた。
探索的解析では、病理学的完全奏効を示したニボルマブ併用群の患者の5年生存率は95.3%、病理学的完全奏効でなかった患者では55.7%であった。また術前に循環血中腫瘍DNA(ctDNA)が陰性であった患者の5年生存率は75.0%、陽性の患者では52.6%であった。
評価
ドライバー変異のない早期肺がんでは、CheckMate 816試験のEFS結果以降も多くの免疫療法戦略が登場している。
本報告で示された長期的なベネフィットにより、術前ニボルマブ+化学療法は、この患者集団に対する最重要の治療オプションの一つとして確立された。