ex19欠失/L858R肺がんでのアミバンタマブ+ラゼルチニブ併用はOSも延長:MARIPOSA試験
Overall Survival with Amivantamab-Lazertinib in EGFR-Mutated Advanced NSCLC
背景
MARIPOSA試験は、世界27ヵ国で、治療歴のないEGFRエクソン19欠失またはL858R変異で局所進行・遠隔転移の非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象として、抗EGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブと第三世代EGFR-TKIラゼルチニブの併用、オシメルチニブ、ラゼルチニブ単独(割り付け比率2:2:1)を比較した第3相国際共同RCTであり、2024年に二剤併用群で無増悪生存期間が有意に延長することを報告している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2403614)。
台湾National Taiwan University Cancer CenterのYangらは、同試験における二剤併用群とオシメルチニブ群(各群n=429)の全生存結果を報告した。
結論
3年全生存期間は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群で60%、オシメルチニブ群で51%であった。全生存期間もアミバンタマブ+ラゼルチニブ群で有意に延長した(ハザード比 0.75)。
グレード3以上の有害事象は、アミバンタマブ+ラゼルチニブ群で多く発現しており(80% vs. 52%)、皮膚関連事象、静脈血栓塞栓症、注入に伴う事象が顕著であった。
評価
EGFR-TKI耐性の最も一般的なメカニズムであるEGFR経路の変異、MET経路の活性化に、同時抑制が可能なアミバンタマブを重ねる合理的な併用療法で、このMARIPOSA試験では初回治療におけるOS延長、MARIPOSA-2試験ではオシメルチニブ後の二次治療における有効性を示している。
皮膚管理レジメンの開発や、静注製剤よりも注入反応の少ないアミバンタマブ皮下投与製剤の開発など、副作用に対する対策も進んでいる。