PCSK9阻害抗体薬に強力な競合siRNA薬inclisiran登場
Two Phase 3 Trials of Inclisiran in Patients with Elevated LDL Cholesterol
背景
Inclisiranは、肝におけるPCSK9合成を阻害する新規siRNA薬である。英Imperial Centre for Cardiovascular Disease PreventionのRayら(ORION-10・11)は、アテローム性動脈硬化症(最大耐量スタチン不奏効)患者各1,561名・1,617名を対象として行われた同第3相2試験の結果を発表している(対照:placebo)。各試験の一次エンドポイントは、ベースラインから510日目までのLDL-Cレベルのプラセボ比パーセンテージ変化、およびベースライン90日目から540日目までのLDL-Cレベルの時間的パーセンテージ変化である。
結論
両試験共にinclisiranの一次エンドポイント効果を認めた(ORION-10・11で各52.3%・49.9%)。Inclisiranは注射部位有害事象が多かったが、重篤または持続的でなかった。
評価
印象的な結果で、2024年に終わるというORION-4結果を待たずFDA承認されるものとみられる。PCSK9阻害抗体薬との競争となるが、年2回の注射だけでよい、というのは魅力的である。