心血管健康(CVH)のためにはprimordial preventionを
Cardiovascular Health Trajectories From Childhood Through Middle Age and Their Association With Subclinical Atherosclerosis
背景
生涯の心血管健康(CVH)に対する小児期の重要性が明らかになりつつある。Northwestern UniversityのAllenらは、アメリカ・フィンランド5コホート研究のデータを統合し、小児期からの長期的CVHリスクモデルを構築して、中年でのサブクリニカル動脈硬化への影響を検討した(n=9,388)。リスクモデルには、臨床的CVHファクター(BMI・総コレステロール値・血圧・血糖値)による臨床的CVHスコアを使用した。主要アウトカム指標は頸動脈IMT(cIMT)である。
結論
5つの明確なCVH軌跡グループが特定された:high-late decline(16%)、high-moderate decline(26%)、high-early decline(32%)、intermediate-late decline(16%)、intermediate-early decline(10%)。High-late declineグループは他群と比べ有意にcIMTが低かった。Intermediate-early decliningグループは、high-late declineグループと比較して高cIMTのオッズが高かった(OR:2.4)。
評価
AHAは10年前にCVHイニシアティブを発表してキャンペーンを開始したが(https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/circulationaha.109.192703)、ここで示されたように心血管劣化は小児期から始まり中年期に至る。著者らはprimordial preventionの必要性を訴えている。