敗血症早期の高張アルブミン投与は血圧を改善せず:ICARUS-ED試験
Intervention With Concentrated Albumin for Undifferentiated Sepsis in the Emergency Department (ICARUS-ED): A Pilot Randomized Controlled Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Annals of Emergency Medicine
年月
July 2025
86
開始ページ
59

背景

敗血症患者における低アルブミン血症はアウトカム悪化と関連しており、アルブミン補充により膠質浸透圧を維持し、輸液効果を持続させられるのではないかとの理論的根拠に基づき、敗血症の初期輸液においてアルブミン製剤を投与する場合があるが、エビデンスは不確かである。
オーストラリアUniversity of QueenslandのWilliamsら(ICARUS-ED)は、感染と低灌流状態が疑われる救急外来患者を、4時間で400 mLの20%アルブミンを投与するグループ、または投与しないグループへと割り付け、24時間後の収縮期血圧・その他のアウトカムを比較する医師主導による単施設パイロットRCTを実施した(n=464)。

結論

登録された患者の95%では感染症が最終診断となった。また、24時間までのプロトコル遵守率は95%を超えた。
24時間時点での収縮期血圧は、アルブミン群で110.5 mmHg、標準ケア群で110 mmHgと差がなかった。
ただし、アルブミン群では6時間時点での収縮期血圧が高く、72時間以内の総輸液量が少なく、24時間・72時間時点で昇圧剤を要する患者の割合が少なく、SOFAスコアが低かった。死亡率には有意な差は認められなかった。

評価

かつてSAFE試験やALBIOS試験がネガティブ結果を示してきたテーマで、この試験でもいくつかのアウトカムについては高張アルブミン群で改善が認められたものの、一次アウトカムには差がなかった。
著者らは結論において多施設共同試験を推奨しているが、ハードアウトカムでのベネフィットが示される見込みは小さいかもしれない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)