白血球数と高血圧症に遺伝子ベースの関連?
White Blood Cells and Blood Pressure: A Mendelian Randomization Study

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Circulation
年月
March 2020
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開始ページ
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背景

UK Biobankのビッグデータは、様々な一般的疾患の意外な遺伝子ベースを同定してきている。英University of GlasgowのSiedlinskiらは、白血球の型・数と血圧の関係を、メンデルランダム化解析により検討した(n=~750,000)。

結論

リンパ球・単球・好中球の数と収縮期圧(SBP)・拡張期圧(DBP)・脈圧(PP)との間に正の関係性が見られた(すべてp<10〜50)。121 SNPsのMR解析によるリンパ球数とSBP・DBPとの関係の潜在因果性は、各0.69・0.56 mmHg/1SD遺伝的リンパ球数増であった。リンパ球数は、尿中ACRと正に関連した。

評価

血中白血球数が遺伝子的因果関係によって高血圧と関連している可能性がある、という高インパクト結果だが、すでにUK Biobank解析で示唆されている一般仮説(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27863252)を具体化したものでもある。著者らはアルブミン尿症との遺伝子的関連に注目しており、重要な仮説生成研究となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)