KRASG12C変異肺がんでAdagrasibも第3相有効性示す:KRYSTAL-12試験
Adagrasib versus docetaxel in KRASG12C-mutated non-small-cell lung cancer (KRYSTAL-12): a randomised, open-label, phase 3 trial
背景
Adagrasib(MRTX849)はKRASG12Cの不可逆・選択的阻害薬であり、第1/2相KRYSTAL-1試験においてKRASG12C変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者での有望な活性を示している。
フランスGustave RoussyのBarlesiら(KRYSTAL-12)は、世界22ヵ国230施設で、プラチナ化学療法と抗PD-1/PD-L1療法による治療歴を有するKRASG12C変異陽性の局所進行・遠隔転移NSCLC患者を、adagrasibまたはドセタキセルへと2:1の比率で割り付け、無増悪生存期間を比較する第3相RCTを実施した(n=453)。
結論
治療意図(intention-to-treat)集団における無増悪生存期間の中央値は、adagrasib群で5.5ヵ月、ドセタキセル群で3.8ヵ月であった(ハザード比 0.58)。
グレード3以上の治療関連有害事象はadagrasib群の47%、ドセタキセル群の46%に認められた。治療関連死亡はadagrasib群の4名、ドセタキセル群の1名で発生した。
評価
KRASG12C阻害薬としてはCodeBreaK 200試験のソトラシブに続いて(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(23)00221-0)、無増悪生存期間に関してドセタキセルを上回った。
すでに標準的なファーストライン治療への併用を検証するため、第3相CodeBreaK 202試験(NCT05920356)、第2相KRYSTAL-7試験(NCT04613596)、第3相KRASCENDO 2試験(NCT06793215)などが進行している。