局所進行頭頸部がんに周術期ペムブロリズマブ上乗せでEFS改善:KEYNOTE-689試験
Neoadjuvant and Adjuvant Pembrolizumab in Locally Advanced Head and Neck Cancer
背景
切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)の術後補助療法としては、20年以上前に確立されたシスプラチン併用放射線治療が標準治療とされているが、1/3の患者は1年以内に再発に至る。
アメリカBrigham and Women's HospitalのUppaluriら(KEYNOTE-689)は、局所進行HNSCC患者に対して、標準治療である手術および術後補助放射線治療(±シスプラチン)、またはそれへのペムブロリズマブ(術前2サイクル・術後15サイクル)追加を割り付け、無イベント生存率を比較する第3相ランダム化オープンラベル試験を実施した(n=714)。
結論
各群の88%が手術を完了した。
PD-L1 Combined Positive Scoreが10以上の患者集団における36ヵ月無イベント生存率はペムブロリズマブ群59.8%、対照群45.9%であった(ハザード比 0.66)。CPSが1以上の患者集団では各群58.2%、44.9%(ハザード比 0.70)、患者全体では各群57.6%、46.4%であった(ハザード比 0.73)。
グレード3以上の治療関連有害事象は、ペムブロリズマブ群の44.6%、対照群の42.9%で発現、それぞれ1.1%、0.3%が死亡した。免疫介在性と考えられるグレード3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ群の10.0%で発現した。
評価
ペムブロリズマブは再発・転移HNSCCにおいて有効性を示していたが、日本からも参加したこの試験で、局所進行例の周術期上乗せ使用においてもEFSの改善を示した。
長年目立った進捗のなかったこの疾患の患者に、重要な治療選択肢がもたらされる。