BRAF変異大腸がん一次治療へのエンコラフェニブ+セツキシマブ上乗せ、生存期間も延長:BREAKWATER試験
Encorafenib, Cetuximab, and mFOLFOX6 in BRAF-Mutated Colorectal Cancer
背景
BREAKWATER試験は、世界28ヵ国で、治療歴がなくBRAF V600E変異陽性の切除不能大腸がん(mCRC)患者を登録し、エンコラフェニブとセツキシマブの二剤併用(EC療法)、EC療法+mFOLFOX6化学療法、標準治療(mFOLFOX6±ベバシズマブ)を割り付け、客観的奏効率と無増悪生存期間を評価する第3相RCTである。すでにEC療法+化学療法により客観的奏効率の改善が見られることを報告している。
スペインVall d'Hebron Hospital CampusのElezらは、同試験におけるもう一つの一次エンドポイントである無増悪生存期間、および全生存期間の中間解析結果について報告した。
結論
無増悪生存期間(中央値)は、EC+mFOLFOX6群で12.8ヵ月、標準治療群7.1ヵ月と、EC+mFOLFOX6により有意に延長した(ハザード比 0.53)。
また、全生存期間(中央値)の中間解析でも、EC+mFOLFOX6群で30.3ヵ月、標準治療群15.1ヵ月と、EC+mFOLFOX6により有意に延長した(ハザード比 0.49)。治療期間中の重篤有害事象発症率は、それぞれ46.1%、38.9%であった。
評価
セカンドラインでOS延長を示したBEACON CRC試験に続き、ファーストラインでもEC療法+標準化学療法によるPFS・OS延長を実証した。
日本でも一部変更申請が行われており、予後不良なこの疾患における新たな標準オプションとなるだろう。