早期リズムコントロールは肥満・糖尿病のAF患者にも有益:EAST-AFNET 4二次解析
Diabetes and Obesity and Treatment Effect of Early Rhythm Control vs Usual Care in Patients With Atrial Fibrillation: A Secondary Analysis of the EAST-AFNET 4 Randomized Clinical Trial
背景
EAST-AFNET 4(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2019422)は、心房細動(AF)患者に対する早期リズムコントロール(ERC)が通常治療と比較して、心血管死・脳卒中・心不全入院(複合アウトカム)を減少させることを示したが、肥満・DMはこの治療効果に影響するか。
ドイツUniversity Heart and Vascular Center HamburgのKirchhofらは、肥満患者1086名と非肥満患者1,690名を対象としたEAST-AFNET 4試験の二次解析を行った。
一次アウトカムは、心血管死・脳卒中・心不全入院・急性冠症候群(ACS)の複合であった。
結論
ERCは肥満患者と非肥満患者で一次アウトカムにおいて同等の有効性を示し、治療効果に差はなかった。また、DM患者694名においても、非DM患者と同様に治療効果に相互作用は認められず、安全性にも差は認められなかった。
評価
大規模コホート研究で生成された仮説(https://cardiab.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12933-023-01749-z)をRCTの二次解析で確認し、肥満・DMのAF患者に対するERCの推奨を担保する重要エビデンスである。ただし、事後解析であり、減量プログラム等のライフスタイル介入はプロトコルに含まれておらず、また、GLP-1受容体作動薬のような最新の治療法は試験期間中には用いられていない。