TAVRはアメリカAS治療のランドスケープを変えた
Contemporary trends in the management of aortic stenosis in the USA
背景
アメリカにおける大動脈弁狭窄症(AS)とTAVRの現在のトレンドは。West Virginia UniversityのAlkhouliらは、National-Inpatient-Sample(約3500万入院)の2003〜2016年データを分析した。
結論
調査期間中、60歳以上のAS治療患者数が96/10万人から137/10万人に増え、AS入院治療費は$2.28 billionから$4.33 billionに増えた。大動脈弁置換術中のTAVR率は、2012年の11.9%から2016年の43.2%に増えた。 男性・ヒスパニック系患者は白人・女性患者よりTAVR率が低かった。SAVRの調整入院死亡率が2003年の5.4%から2016年の3.3%へと低下した一方、 TAVRのそれは2012年の4.7%から2016年の2.2%へと低下した。術後の透析導入・ペースメーカー植え込み・輸血は減ったが、術後脳卒中に有意な減少はなかった。
評価
同様な現象は2019年の37万入院例調査でもみられており(https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(19)30623-X/fulltext)、軽症患者へのTAVR適応承認が大きい。著者らは「パラダイムシフト」としている。