アジア人で動脈スティフネスを大規模調査
Trajectories of Age-Related Arterial Stiffness in Chinese Men and Women
背景
動脈スティフネス(ArSt)の大規模研究は、数が少ないだけでなく欧米に偏っている。オーストリアMedical University of InnsbruckのKiechlらは、中国の2横断研究と1前向研究の健常者参加者のbaPWV測定結果を報告している(n=80,415)。
結論
ArStは年齢依存性に高まったが性差が著しく、男性で思春期から58歳までに認められた一方、女性ではその後に進行した。女性におけるbaPWVの閉経後の進行は、心血管リスク因子がArStにより強く作用するためとみられた。baPWVの2大決定要因は年齢・収縮期血圧であり、他因子はLDL-Cを除き大きく寄与しなかった。
評価
非アジア人集団研究で形成されてきた、女性でArStが閉経後に進行して心血管リスクの鍵となる、という仮説をアジア人で確認する大規模研究である。その生化学的基礎がLDL-Cと関連するものかどうかが、現在の争点の一つである。