アジア人で動脈スティフネスを大規模調査
Trajectories of Age-Related Arterial Stiffness in Chinese Men and Women

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
March 2020
75
開始ページ
870

背景

動脈スティフネス(ArSt)の大規模研究は、数が少ないだけでなく欧米に偏っている。オーストリアMedical University of InnsbruckのKiechlらは、中国の2横断研究と1前向研究の健常者参加者のbaPWV測定結果を報告している(n=80,415)。

結論

ArStは年齢依存性に高まったが性差が著しく、男性で思春期から58歳までに認められた一方、女性ではその後に進行した。女性におけるbaPWVの閉経後の進行は、心血管リスク因子がArStにより強く作用するためとみられた。baPWVの2大決定要因は年齢・収縮期血圧であり、他因子はLDL-Cを除き大きく寄与しなかった。

評価

非アジア人集団研究で形成されてきた、女性でArStが閉経後に進行して心血管リスクの鍵となる、という仮説をアジア人で確認する大規模研究である。その生化学的基礎がLDL-Cと関連するものかどうかが、現在の争点の一つである。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)