プラチナ抵抗性卵巣がんにグルココルチコイド受容体拮抗薬Relacorilantが有効:ROSELLA試験
Relacorilant and nab-paclitaxel in patients with platinum-resistant ovarian cancer (ROSELLA): an open-label, randomised, controlled, phase 3 trial
背景
グルココルチコイド受容体(GR)の活性化は、がん細胞のアポトーシスを抑制し、休眠状態を誘導するなどのプロセスにより、化学療法への抵抗性に寄与する。
アメリカUPMC Magee-Women's HospitalのOlawaiyeら(ROSELLA[GOG-3073/ENGOT-ov72])は、世界14ヵ国117施設で、プラチナ製剤抵抗性かつベバシズマブを含む最大3ラインの治療歴を有する上皮性卵巣がん・原発性腹膜がん・卵管がん患者を、選択的GR拮抗薬relacorilantとナブパクリタキセルの併用療法、またはナブパクリタキセル単独療法へと割り付け、生存アウトカムを比較する第3相RCTを実施した。
結論
2024年4月までに381名が登録された。
無増悪生存期間(中央値)は、relacorilant併用群で6.54ヵ月、ナブパクリタキセル単独群で5.52ヵ月であり、relacorilant併用群で有意に改善した(ハザード比 0.70)。
また、全生存期間に関する中間解析でも、relacorilant併用群の全生存期間(中央値)が15.97ヵ月、ナブパクリタキセル単独群で11.50ヵ月と、臨床的意義のある差が認められた(ハザード比 0.69)。
評価
Relacorilantの追加により、PFSだけでなく、OSの延長ももたらした。
GR経路を介した耐性メカニズムを阻害するという新しいアプローチのファースト・イン・クラス薬であり、第3相で有効性が実証されたことの意味は大きい。