直腸がんでのロボット支援手術は腹腔鏡手術に優る:REAL試験
Robotic vs Laparoscopic Surgery for Middle and Low Rectal Cancer: The REAL Randomized Clinical Trial
背景
直腸がんにおいても、従来の腹腔鏡下手術の短所を補うアプローチとして、ロボット支援下手術が提案されているが、腫瘍学的アウトカムについて両者を比較したランダム化試験は少ない。
中国Zhongshan Hospital Fudan UniversityのFengら(REAL)は、同国11施設の遠隔転移のない中部/下部直腸がん(cT1-T3/N0-N1または術前治療後T1-T3)患者を、従来の腹腔鏡下直腸切除術、またはロボット支援下直腸切除術へと割り付け、3年局所再発率を比較するRCTを実施した(n=1,240)。
結論
3年局所再発率は、ロボット手術群で1.6%、腹腔鏡手術群で4.0%と、ロボット手術群で有意に低下した(調整ハザード比 0.39)。また3年無病生存率もロボット手術群で高かった(87.2% vs. 83.4%, 調整ハザード比 0.67)。
3年生存率には群間差を認めなかった(94.7% vs. 93.0%)。
ロボット手術群の患者では、術後3ヵ月・6ヵ月時点での排尿機能、男女性機能、排便機能、および術後12ヵ月時点での排尿機能、男性機能が良好であった。
評価
このテーマではROLARR試験(https://doi.org/10.1001/jama.2017.7219)、COLRAR試験(https://doi.org/10.1097/SLA.0000000000005788)につぐ3件目の大規模RCTとみられ、ロボット支援手術の成績が腹腔鏡手術を上回ることを初めて示した。
日本の最新ガイドラインでも強く推奨となっており、直腸がんの手術における標準的選択肢となっていくだろう。