エボロクマブのHeFH患者への長期安全性・有効性は確実: TAUSSIG最終報告
Long-Term Evolocumab in Patients With Familial Hypercholesterolemia
背景
TAUSSIG試験は家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体(HoFH)と重症ヘテロ接合体(HeFH)患者に対するPCSK9阻害薬エボロクマブ(アフェレーシス有/無)の安全性・有効性を検討するオープンラベル試験である。ブラジルUniversity of Sao Paulo のSantosらは同試験の最終報告を行い、長期的安全性・有効性(中央値4.1年)を評価した(n=300)。一次エンドポイントは治療下で発現した有害事象とである。
結論
一次エンドポイントは89.3%にみられ、副鼻腔炎・インフルエンザ・上気道感染症・頭痛が多かった。12週時の有効性エンドポイント(脂質低下)はHoFH群−21.2%、重症HeFH群−54.9%であり、12週以降も維持された。非アフェレーシス群中エボロクマブ漸増群では、漸増前−19.6%から漸増後−29.7%へと変化した。調整心血管イベント発生率は2.7%/年であった。
評価
エボロクマブの長期的安全性・有効性を示し、LDLアフェレーシスからPCSK9阻害薬による積極的治療への転換も考慮させる報告となった。確実な推奨患者はHeFHであり、HoFHでは一応推奨、ということになる。