エボロクマブのHeFH患者への長期安全性・有効性は確実: TAUSSIG最終報告
Long-Term Evolocumab in Patients With Familial Hypercholesterolemia

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
February 2020
75
開始ページ
565

背景

TAUSSIG試験は家族性高コレステロール血症(FH)ホモ接合体(HoFH)と重症ヘテロ接合体(HeFH)患者に対するPCSK9阻害薬エボロクマブ(アフェレーシス有/無)の安全性・有効性を検討するオープンラベル試験である。ブラジルUniversity of Sao Paulo のSantosらは同試験の最終報告を行い、長期的安全性・有効性(中央値4.1年)を評価した(n=300)。一次エンドポイントは治療下で発現した有害事象とである。

結論

一次エンドポイントは89.3%にみられ、副鼻腔炎・インフルエンザ・上気道感染症・頭痛が多かった。12週時の有効性エンドポイント(脂質低下)はHoFH群−21.2%、重症HeFH群−54.9%であり、12週以降も維持された。非アフェレーシス群中エボロクマブ漸増群では、漸増前−19.6%から漸増後−29.7%へと変化した。調整心血管イベント発生率は2.7%/年であった。

評価

エボロクマブの長期的安全性・有効性を示し、LDLアフェレーシスからPCSK9阻害薬による積極的治療への転換も考慮させる報告となった。確実な推奨患者はHeFHであり、HoFHでは一応推奨、ということになる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)