CKD+T2D患者にはフィネレノンとSGLT2阻害薬の併用?:CONFIDENCE試験
Finerenone with Empagliflozin in Chronic Kidney Disease and Type 2 Diabetes
背景
慢性腎臓病(CKD)と2型糖尿病(T2D)患者に対し、SGLT2阻害薬と非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノンの同時開始を支持する観察エビデンスがある。
アメリカRichard L. Roudebush VA Medical CenterのAgarwalら(CONFIDENCE)は、レニン-アンジオテンシン系阻害薬(RAS阻害薬)服用中のCKD(アルブミン尿を伴う)およびT2D患者818名を対象に、フィネレノン単独・エンパグリフロジン単独・両剤併用投与の有効性・安全性を比較する第2相RCTを行った。
一次エンドポイントは、180日目までの尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)の相対変化であった。
結論
併用療法の一次エンドポイント効果を認めた[併用によりUACRは、フィネレノン単独療法より29%、エンパグリフロジン単独療法より32%低下]。単独療法・併用療法ともに予期せぬ有害事象は認められず、薬剤中止に至る症候性低血圧・急性腎障害・高カリウム血症は稀であった。
評価
FIDELITY analysis(https://diabetesjournals.org/care/article/45/12/2991/147449/Finerenone-in-Patients-With-Chronic-Kidney-Disease)がプール化分析で提起した仮説に、RCTによる高レベルエビデンスを与えた。代用エンドポイント(UACR)の使用と試験期間の短さが問題点であり、今後の追跡・追試で最終結論が出されることになる。