早産児でのCPAP期間を延長すると肺成長・発達が促進する
Extended Continuous Positive Airway Pressure in Preterm Infants Increases Lung Growth at 6 Months: A Randomized Controlled Trial
背景
早産後、呼吸窮迫がみられる新生児に対しては、早期に経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)などの低侵襲換気を行うことで、侵襲的換気を回避し、肺損傷や気管支肺異形成症(BPD)の発症を抑制できるとするエビデンスがあり、標準的に実施されている。では呼吸状態が安定した回復期の早産児で、持続的にCPAPを行うことはベネフィットを有するか。
アメリカOregon Health & Science UniversityのMcEvoyらは、同大学のレベルIV新生児集中治療室(NICU)において、在胎期間24週〜32週、かつ初期呼吸サポートまたは抜管後のケアとして24時間以上CPAPを必要とした新生児を、2週間の延長CPAP療法、またはCPAP終了へと割り付け、月齢6ヵ月時点の肺胞容量(VA; 一回息止め法による)の増加と関連するかを評価する単施設RCTを実施した(n=100)。
結論
VAの調整済み平均は、延長CPAP群で500.2 ml、CPAP終了群で418.1 mlと、延長CPAP群で有意に上昇した。そのほか複数の二次アウトカムについても、延長CPAP群で改善が認められた。
評価
早産による肺の発達異常は重大な問題だが、このRCTは、経鼻的CPAP療法を症状の安定後にも延長することで、6ヵ月時点での肺機能が有意に改善されることを示した。
NICUでの採用が容易で安全な介入として有望だが、まずは長期のフォローアップデータが望まれる。