エンパグリフロジンの心血管効果は低血糖の影響を受けない
Relationship between hypoglycaemia, cardiovascular outcomes, and empagliflozin treatment in the EMPA-REG OUTCOME(R) trial
背景
EMPA-REG OUTCOMEは、SGLT2阻害薬として初めてエンパグリフロジンの心血管(CV)良好効果を示した。同試験のFitchett(カナダUniversity of Toronto)らは、低血糖患者のCVアウトカムおよび同薬による治療効果への低血糖のインパクトを報告している。
結論
中央値3.1年のフォローアップで、プラセボグループにおける低血糖の心不全入院リスクを確認した(≦70 mg/dLでHR:1.91)。血糖値≦70 mg/dLは心筋梗塞リスク増とも関連した(HR:1.56)。エンパグリフロジンは低血糖リスクを上げず、また低血糖の発生の如何に関わらずCVアウトカムを改善した。
評価
血糖降下薬の心血管効果検証を先行したグループが、低血糖と心血管効果の関連という詳細点を確認した。著者らは、低血糖が心不全入院のリスクを上げる、というのは新しい所見である、としている。

