PCIでのモルヒネとクロピドグレルの併用は有害
Morphine and Cardiovascular Outcomes Among Patients With Non-ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndromes Undergoing Coronary Angiography
背景
前臨床研究ではモルヒネがADP受容体ブロッカーの効果を弱めることが知られるが、実臨床では。Brigham and Women’s HospitalのGiuglianoらは、EARLY ACS研究(n=5,438)の二次解析によりモルヒネとクロピドグレル併用の有害相互作用の可能性を検討した(対照:クロピドグレル非投与患者、n=3,462)。エンドポイントは、96時間時点(早期)での全死亡・心筋梗塞・虚血再発・血栓因ベイルアウト、および30日時点での全死亡・心筋梗塞である。
結論
クロピドグレル治療群でモルヒネによる早期エンドポイント高率発生を認めた(aOR:1.40)。30日時点でのエンドポイント率も高く(aOR:1.29)、最初の48時間に生じるイベントが引き金となって起こるとみられた。対照群ではこのような現象はなかった。
評価
日欧と違い、アメリカではPCIでの鎮痛・鎮静に モルヒネは汎用されている。見直しは必至である。


