肥満・過体重にGLP-1R/GCGR二重アゴニストmazdutide登場:GLORY-1試験
Once-Weekly Mazdutide in Chinese Adults with Obesity or Overweight
背景
インクレチンベースのデュアルアゴニスト薬物療法は肥満に有効とされるが、グルカゴン様ペプチド-1受容体(GLP-1R)/グルカゴン受容体(GCGR)デュアルアゴニストのmazdutideも過体重・肥満患者に有効な可能性がある。
中国Peking UniversityのJiら(GLORY-1)は、BMI≧28またはBMI 24〜28で併存疾患を有する18〜75歳の成人610名を対象として、同薬の効果・安全性をプラセボと比較する48週間のRCTを行った。
一次エンドポイントは、ベースラインからの体重変化率と、32週時点での5%以上の体重減少であった。
結論
Mazdutideの一次エンドポイント効果を認めた。32週時点の体重変化率は、4mg群−10.09%・6mg群−12.55%・プラセボ群0.45%で、5%以上の体重減少は各73.9%・82.0%・10.5%であった。
48週目の体重変化率は、−11.00%・−14.01%・0.30%であった。15%以上の体重減少は各35.7%、49.5%、2.0%で認められた。主な有害事象は軽度から中等度であった。試験治療中止に至る有害事象の発生率は各1.5%・0.5%・1.0%であった。
評価
同薬はEli Lilly社が開発し、中国でInnovent Biologics社に独占的にライセンスしたもので、GLP-1R/GCGR二重アゴニストとして初めて第3相を通過した。著者らは、中国人集団は西洋人と異なる臨床的特徴と治療ニーズを持っており、中国人特有のエビデンスに基づく体重管理戦略が必要である、としている。