切除不能肝がんの初回治療にニボルマブ・イピリムマブ併用療法が登場:CheckMate 9DW試験
Nivolumab plus ipilimumab versus lenvatinib or sorafenib as first-line treatment for unresectable hepatocellular carcinoma (CheckMate 9DW): an open-label, randomised, phase 3 trial

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
May 2025
405
開始ページ
1851

背景

切除不能な肝細胞がんに対しては、免疫チェックポイント阻害薬を含む併用療法が複数登場している。
香港University of Hong KongのYauら(CheckMate 9DW)は、薬物療法歴のない切除不能肝細胞がん患者を、ニボルマブ+イピリムマブ、またはレンバチニブ/ソラフェニブ(主治医の選択による)を割り付け、全生存アウトカムを比較する第3相RCTを実施した(n=668)。

結論

早期にはニボルマブ+イピリムマブ併用療法群の死亡数増加により、生存曲線の交差が起こったものの、その後は持続的に分離し併用療法群が優位となった。
全生存期間の中央値は、併用療法群で23.7ヵ月、対照群で20.6ヵ月となった(ハザード比 0.79)。24ヵ月生存率は各群49%、39%、36ヵ月生存率は38%、24%であった。
グレード3-4の治療関連有害事象は、併用療法群の41%、対照群の42%で発現した。併用療法群の死亡12件、対照群の死亡3件が治療によるものと考えられた。

評価

切除不能肝がんの免疫ベース併用療法としては、すでにアテゾリズマブ+ベバシズマブ、デュルバルマブ+トレメリムマブ、camrelizumab+rivoceranib(中国のみ)が存在しているが、ニボルマブ+イピリムマブもこれに加わった。
これらの間の比較は重要だが、次の段階として、IMbrave152試験やTRIPLET HCC試験など三剤併用の検証も進められている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)