魚油カプセル+食事介入が前立腺がんの進行リスクを下げる?:CAPFISH-3試験
High Omega-3, Low Omega-6 Diet With Fish Oil for Men With Prostate Cancer on Active Surveillance: The CAPFISH-3 Randomized Clinical Trial
背景
ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸は、いずれもヒトの体内で合成できず、食物として摂取する必要がある必須脂肪酸であり、がんの発症・進行リスクとの関連が様々に研究されてきた。いくつかの研究は、高ω-3・低ω-6脂肪酸食が前立腺がん細胞において抗発がん作用を持つことを明らかにしている。
アメリカUniversity of California Los AngelesのAronsonら(CAPFISH-3)は、臨床病期T2c以下、グリーソングレードが3+4以下、PSAが25未満で、監視療法(active surveillance)を選択した前立腺がん患者を、1年間の高ω-3・低ω-6脂肪酸食+魚油カプセル、または対照群へと割り付け、1年後の同一病変生検におけるKi-67指数の変化を比較する第2相RCTを実施した(n=100)。
結論
D+FO群のKi-67指数は、ベースラインの1.34%から1年後には1.14%へと約15%減少し、対照群では1.23%から1.52%へ、約24%増加した。両群のKi-67指数の変化は統計的に有意であった。
二次アウトカムについては有意な差は認められなかった。また、D+FO群の4名が、魚油に関連した有害事象により試験を脱落した。
評価
栄養士による毎月の高ω-3・低ω-6脂肪酸食指導と、1日4錠の魚油カプセルは、1年後の前立腺がんの増殖能を有意に低減した。
この変化がω-3・ω-6脂肪酸に関連しているのか食事全般の改善によるものなのか、また、より長期かつ臨床的に重要なアウトカムに効果があるのか、といった疑問は残っており、今後の検証が待たれる。

