エンコラフェニブ+セツキシマブ、BRAF変異大腸がんの一次治療へ上乗せで奏効率向上:BREAKWATER試験
Encorafenib, cetuximab and chemotherapy in BRAF-mutant colorectal cancer: a randomized phase 3 trial
背景
BEACON CRC試験は、BRAF V600E遺伝子変異を有する切除不能大腸がん(mCRC)患者の二次治療において、BRAF阻害剤エンコラフェニブと抗EGFR抗体薬セツキシマブの二剤併用(EC療法)が有効であることを実証した。一方、BRAF V600E変異mCRC患者における一次化学療法の有効性は限定的であり、新しい治療選択肢が求められていた。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのKopetzら(BREAKWATER)は、世界28ヵ国で、治療歴のないBRAF V600E変異陽性mCRC患者を登録し、EC療法単独、EC療法+mFOLFOX6化学療法、標準治療(mFOLFOX6±ベバシズマブ)を割り付け、客観的奏効率と無増悪生存期間を評価する第3相RCTを実施した。
試験プロトコルは途中修正され、以降はEC療法+mFOLFOX6化学療法群と標準治療群に1:1で割り付けが行われた。
結論
236名がEC+mFOLFOX6群に、243名が標準治療群へと割り付けられた。
客観的奏効率はEC+mFOLFOX6群で60.9%、標準治療群で40.0%と、有意かつ臨床的に意義のある改善が示された(オッズ比 2.443)。奏効期間(中央値)はそれぞれ13.9ヵ月、11.1ヵ月であった。
この有効結果に基づき行われた全生存期間の一次中間解析では、全生存期間のハザード比は0.47であった(非有意)。無増悪生存期間についてはイベントドリブンな解析に必要なイベント数に未到達であった。
重篤有害事象の発現率に差はなかった。
評価
臨床早期セッティングでの評価を後押しする、アメリカ食品医薬品局(FDA)のProject FrontRunnerを活用した最初期の試験であり、化学療法へのエンコラフェニブ+セツキシマブの上乗せが、客観的奏効率を有意に改善することを実証した。
無増悪生存期間・全生存期間については今後の解析が待たれるが、BRAF V600E変異mCRC患者にとって重要なファーストラインオプションとなろう。