減量薬初の対決試験で、ゼップバウンドがウゴービに「勝利」:SURMOUNT-5
Tirzepatide as Compared with Semaglutide for the Treatment of Obesity
背景
チルゼパチドとセマグルチドは肥満管理に有効だが、2型糖尿病(T2DM)非合併肥満成人でのそれらの比較優位性は。
アメリカComprehensive Weight Control CenterのAronneら(SURMOUNT-5)は、この問題を検討する3b相非盲検試験を行った。対象は、肥満だがT2DMのない成人751名で、最大耐量のチルパチドまたはセマグルチドに割り付け、週1回72週間皮下投与した。
一次エンドポイントは、ベースラインから72週までの体重変化率であった。
結論
チルゼパチドの一次エンドポイント優位性を認めた[−20.2% vs. −13.7%。ウエスト周囲径の変化率はチルゼパチド群−18.4cm、セマグルチド群−13.0cmであった]。チルゼパチド群はセマグルチド群と比較し、より高い割合で10〜25%以上の多段階での体重減少を達成した。有害事象は両群とも主に軽度から中等度の胃腸系で、用量漸増期に多かった。
評価
長らく待たれていた初めての対決試験で、ゼップバウンド製造元であるEli Lillyが資金提供した。アメリカでは成人の約8人に1人が両薬のいずれかを使用したことがある(2024年のゼップバウンドの全世界売上高は49億ドル、ウゴービの売上高は88億ドル)といい、「ゼップバウンドの勝ち」というここでの結果は大きい。Novo Nordiskの業績は不振で、CEOの退任、株価の暴落が続いている。