救急のめまい患者をリスク分類するスコアを開発
Development of a Clinical Risk Score to Risk Stratify for a Serious Cause of Vertigo in Patients Presenting to the Emergency Department
背景
めまいの訴えは救急外来では一般的であるが、稀ながら脳卒中や椎骨動脈解離など重篤な原因を有する場合があり(2〜5%)、リスク判断が重要となる。
カナダHealth Sciences NorthのOhleらは、2019年からの3年間に、同国の都市部大学病院の3ヵ所の救急外来を受診した、めまい(vertigo, dizziness, imbalance)を呈する患者を対象に前向コホート研究を行い(n=2,078)、重篤な原因、すなわち脳卒中・一過性脳虚血発作(TIA)・椎骨動脈解離・脳腫瘍を予測する臨床リスクスコアを導出した。
結論
重篤な診断は111件(5.3%)発生し、うち81.1%が脳卒中、9.9%がTIA、1.8%が椎骨動脈解離、0.9%が脳腫瘍であった。
ロジスティック回帰を用い、男性(+1)、65歳以上(+1)、高血圧(+1)、糖尿病(+1)、運動/感覚障害(+5)、小脳徴候/症状(+6)、良性発作性頭位めまい症の診断(-5)の7項目からなる予測モデル、Sudbury Vertigo Risk Scoreが作成された。
スコア5未満では重篤な診断率は0%、5-8で2.1%、8超では41%であり、スコア5未満では感度100%、特異度72.1%となった。
評価
めまい患者の大規模なコホートから、リスク層別化を可能とするスコアを導出した。
リスク分類に応じた検査戦略によって不要なCT検査を削減することも考えられるが、まずはスコアの外部検証が必要である。


