コンピュータの電子アラートにより広域抗菌薬の不適切使用を抑制:INSPIRE 4試験
Improving Empiric Antibiotic Selection for Patients Hospitalized With Abdominal Infection: The INSPIRE 4 Cluster Randomized Clinical Trial

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
JAMA Surgery
年月
April 2025
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開始ページ
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背景

広域抗菌薬の乱用は薬剤耐性リスクであるが、多剤耐性菌(MDRO)感染の可能性が低い症例でも広域抗菌薬が幅広く処方されている実態がある。コンピューター化された医師オーダーエントリー(CPOE)によってMDROリスクの低い患者を特定し、広域抗菌薬の使用を抑制することは可能か?
アメリカUniversity of California, IrvineのGohilら(INSPIRE 4)は、92の参加施設をクラスターランダム化し、腹腔内感染症によって入院した重症でない成人患者を対象に、入院当初3日間、CPOEプロンプトを用いた抗菌薬適正使用支援バンドル、または通常の適正使用使用支援を行い、経験的な広域抗菌薬の投与を比較した。

結論

ベースライン期間に93,476名、介入期間に105,004名が腹腔内感染症により入院した。
経験的な広域抗菌薬投与率は、通常ケアグループではベースライン期間48.2%、介入期間50.5%と変化がなかった一方で、CPOEバンドルグループでは47.8%から37.6%へと減少した。投与日数は、CPOEバンドルグループで相対35%減少した(率比 0.65)。
>入院期間は通常ケアに劣らなかった(ハザード比 1.02)。

評価

INSPIREシリーズから発表された4つめの試験結果で、皮膚・軟部組織感染症を対象としたINSPIRE 3試験と同時に発表された(https://doi.org/10.1001/jamainternmed.2025.0887)。
いずれの試験もCPOEにより、安全性を損なうことなく、不要な広域抗菌薬投与が削減されることを示しているものの、コロナ禍で大きく実践が変貌している時期にまたがって実施されたため、解釈には注意を要する。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)