経会陰生検は経直腸よりも前立腺がん検出が多い:TRANSLATE試験
Local anaesthetic transperineal biopsy versus transrectal prostate biopsy in prostate cancer detection (TRANSLATE): a multicentre, randomised, controlled trial
背景
前立腺生検の経路には経直腸と経会陰の2種類があり、がんの検出率には違いがないものの、経会陰生検では感染症リスクが低く、MRIガイド下生検での優位性もあって近年では採用が拡大している。
イギリスUniversity of OxfordのBryantら(TRANSLATE)は、同国10施設で、前立腺がん疑いにより生検を受ける、MRI検査済の患者を、局所麻酔下超音波ガイド下での経会陰生検(LATP)、または経直腸生検(TRUS)へと割り付け、Gleasonグレードグループ2以上の前立腺がんの検出率、さらに副作用・忍容性・患者報告アウトカムを比較するRCTを実施した(n=1,126)。
結論
GGG 2以上の前立腺がんはLATP群で60%、TRUS群で54%であった(オッズ比 1.32)。
生検後35日以内の入院を要する感染症は、LATP群の1%未満、TRUS群の2%に発生した。生検後4ヵ月時点での生検関連合併症、カテーテルを要する尿閉、排尿障害、性機能の報告数に有意な差は認められなかった。
生検直後の疼痛・羞恥/困惑(embarrassing)は、LATP群で大きく(38% vs. 27%, オッズ比 1.84)、重篤有害事象はLATP群の2%、TRUS群の4%で発生した。
評価
MRI検査に引き続くLATPは、TRUSよりも多くの前立腺がんを検出可能であった。GGG 2以上の前立腺がん検出におけるLATPの優位を示した初のRCTとなる。
副次アウトカムにおけるトレードオフと併せて、生検経路を選択する上で重要な情報を提供する結果である。


