急性心不全の血管拡張薬治療:メジャー試験GALACTICが失敗
Effect of a Strategy of Comprehensive Vasodilation vs Usual Care on Mortality and Heart Failure Rehospitalization Among Patients With Acute Heart Failure: The GALACTIC Randomized Clinical Trial
背景
新たな血管拡張薬の出現により、急性心不全(AHF)の血管拡張療法の見直しが必要となっている。スイスUniversity of BaselのKozhuharovら(GALACTIC)は、788名のAHF患者を対象として、血管拡張薬の短期集中使用の効果・安全性を検証するRCTを行った(対照:従来治療)。血管拡張薬使用はcomprehensive pragmatic approach原則で行い、舌下薬・硝酸薬貼付・経口低用量ヒドララジン・ACEインヒビター・ARB・サクビトリル-バルサルタンを個人化して最大限使用した。一次エンドポイントは、全死因死亡・180日内AHF再入院である。
結論
血管拡張薬介入の一次エンドポイント効果を認めなかった(絶対差2.8%、aHR:1.07)。
評価
柔軟な個人化戦略を採用したユニークな試験だったが、長期アウトカムへの効果を示すことができなかった。最近のserelaxinの無効報告(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1801291)を上書きする結果である。