アフリカ系アメリカ人でTTR V122Iバリアント保有の心不全リスクを評価
Association of the V122I Hereditary Transthyretin Amyloidosis Genetic Variant With Heart Failure Among Individuals of African or Hispanic/Latino Ancestry
背景
遺伝性トランスサイレチン・アミロイド心筋症(hATTR-CM)は、新薬の開発により制御可能な病態になってきている。University of PennsylvaniaのDamrauerらは、Penn MedicineおよびMount Sinai BioMeの2 Biobankのアフリカ系・ラティノ系登録者を対象として、同疾患を起因するTTR V122I変異の保有と心不全の発症の関連を検討するケース・コントロール研究を行った(n=9,694)。一次アウトカムは心不全有病率である。
結論
TTR V122Iキャリアは3.1%であった。TTR V122I保有は心不全有病と関連した(ケース・コントロール比較での調整オッズ比1.8)。また心不全を発症した92名のTTR V122Iキャリア中10名が、hATTR-CMと診断されていた。徴候発現から臨床的確定診断までの期間中央値は3年であった。
評価
同遺伝子とhATTR-CMの関連は既知であるが、高頻度に出現するアフリカ系集団では、心不全リスクが明確であるのに診断(検診)が不十分である、とした研究である。FDA承認された同疾患治療薬tafamidisは、年間$225,000と言われる(https://www.reuters.com/article/us-pfizer-approval-idUSKCN1SC0VX)。