便潜血検査による大腸がん検診は大腸内視鏡検診に劣らず:COLONPREV試験
Effect of invitation to colonoscopy versus faecal immunochemical test screening on colorectal cancer mortality (COLONPREV): a pragmatic, randomised, controlled, non-inferiority trial

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2025
405
開始ページ
1231

背景

日本を含む主要な先進国では、便潜血検査が対策型大腸がん検診に採用されており、対して、アメリカなどでは大腸内視鏡検査も標準的検査法となっている。大腸内視鏡による検診は、便潜血検査よりも大腸がん死亡の抑制に有効な可能性があるものの、両者を直接比較した研究は乏しい。
スペインHospital Clínic of BarcelonaのCastellsらは、同国15ヵ所の三次病院での大腸がん検診プログラムとして、50〜69歳の平均リスク参加者を、単回の大腸内視鏡検査または2年ごとの免疫法便潜血検査へと割り付け、10年大腸がん死亡率を比較するランダム化比較非劣性試験、COLONPREV試験を実施した(n=57,404)。

結論

検診意図(intention-to-screen)集団における、検診の種類を問わない検診受診率は、大腸内視鏡検査群で31.8%、便潜血検査群で39.9%であった(リスク比 0.79)。
10年大腸がん死亡リスクは大腸内視鏡検査群で0.22%(55名)、便潜血検査群で0.24%(60名)であり、便鮮血検査の非劣性(絶対リスク差 0.16未満)が示された。

評価

便潜血検査は大腸がん死亡率について、大腸内視鏡に劣らなかった。便潜血検査群の方が検診受診率が高いという観察は、SCREESCO試験の予備的結果とも合致する(https://doi.org/10.1016/S2468-1253(21)00473-8)。
同テーマのRCTとしてアメリカのCONFIRM試験(NCT01239082)のほか、日本のAkita pop-colon trialでは便潜血検査と便潜血検査+大腸内視鏡の比較が行われている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)