活動性がん患者での抗凝固療法は長期的には減量可能:API-CAT試験
Extended Reduced-Dose Apixaban for Cancer-Associated Venous Thromboembolism
背景
静脈血栓塞栓症を発症したがん患者では再発を予防するため抗凝固療法が行われる。がんが活動性である限りは抗凝固療法を継続することが推奨されているが、出血性合併症のリスクもあり、減量が可能かは大きな関心事であった。
フランスHopital Louis MourierのMaheらは、世界11ヵ国121施設の、静脈血栓塞栓症を有し、6ヵ月以上の抗凝固療法を再発なしに完了した活動性がん患者を、経口アピキサバンの減量(2.5 mg)または標準用量(5.0 mg)へと割り付け、静脈血栓塞栓症の再発に関するアピキサバン減量の非劣性を評価する非劣性RCT、API-CAT試験を実施した(n=1,766)。
結論
静脈血栓塞栓症の再発は、減量群で18名(累積発症率2.1%)、標準用量群で24名(2.8%)に認められた(調整サブハザード比 0.76)。
臨床的に重大な出血イベントは減量群で102名(累積発症率12.1%)、標準用量群で136名(15.6%)と、減量群で有意に減少した(調整サブハザード比 0.75)。
死亡率はそれぞれ17.7%、19.6%であった(調整ハザード比 0.96)。
評価
6ヵ月の抗凝固療法を完了した活動性がん患者では、血栓リスクを高めることなくアピキサバンを減量可能であり、出血リスクを軽減することができた。
長期的な抗凝固療法の至適用量を検討した初の大規模試験であり、実践へのインパクトは大きい。