発症4.5時間を超えた軽症後方循環脳梗塞にもアルテプラーゼ:EXPECTS試験
Alteplase for Posterior Circulation Ischemic Stroke at 4.5 to 24 Hours
背景
血栓溶解療法は発症4.5時間以内の虚血性脳卒中患者に対する標準治療であり、治療ウィンドウの拡大も積極的に検証されているが、前方循環系脳卒中と比して後方循環系脳卒中ではエビデンスが乏しい。
中国Second Affiliated Hospital of Zhejiang UniversityのYanらは、血栓除去療法が予定されていない発症から4.5〜24時間の後方循環系脳卒中患者を、アルテプラーゼまたは標準の内科的治療へと割り付け、90日時点での機能的自立(修正ランキンスケールが0-2)を比較するRCT、EXPECTS試験を実施した(n=234)。
結論
患者のNIHSSは中央値3であった。
90日機能的自立率はアルテプラーゼ群で89.6%、対照群では72.6%であった(調整リスク比 1.16)。
36時間以内の徴候性頭蓋内出血の発生率は、アルテプラーゼ群1.7%、対照群0.9%であった。90日時点でアルテプラーゼ群の5.2%、対照群の8.5%が死亡していた。
評価
発症4.5時間を超えた軽症後方循環系脳梗塞へのアルテプラーゼ投与は、機能的予後を改善した。
後方循環系脳梗塞でもウィンドウの拡大を指示するデータである。