重症AS患者は無症状でも手術すべき
Early Surgery or Conservative Care for Asymptomatic Aortic Stenosis
背景
症状のない大動脈弁狭窄(AS)患者への手術適応にはコンセンサスが十分でない。韓国University of UlsanのKangら(RECOVERY)は、早期手術と保存療法を比較するRCTを行った。患者145名は無症状で、大動脈弁流出速度≧4.5 m/sまたは平均大動脈圧較差≧50 mmHgで弁口面積≦0.75 cm2であった。一次エンドポイントは術後30日以内の全死亡またはフォローアップ中の心血管疾患死亡である。
結論
早期手術群では95%がランダム化後2か月以内に手術を受け、手術死亡はなかった。中央値6.2年のフォローアップで、早期手術の一次エンドポイント優位を認めた(発生1人 vs. 11人、HR:0.09)。二次エンドポイント(全原因死)でも早期手術が優位だった。
評価
非手術群の患者も75%が悪化してSAVR・TAVRを受けており、無症状ではあるが重症だった、ということが早期侵襲介入が圧倒的に優位となった理由とみられる。NEJM Editorialは、客観的リスク指標の見直しと整備が必要、としている。